よい街コラム

消えゆく塀

塀と言えば武家屋敷が象徴的ですが、その地位を誇示する為だったのでしょうか?名残なのか塀と門扉は一昔前は必ず作ったものです。
 田園調布と言えば有名な一等地ですが、ものすごく高い塀が多く大体は身長程度あり、中には垣根と合わせると人の3倍以上もあるところもあります。たとえ中で庭に水を撒いていても道路からは何も見えません。インナーガレージも多く、一体近隣のコミュニティってどうなっているのでしょうか?豪邸が多く緑化され、確かにすごい街ですが、私にとっては塀と垣根のおかげで閉鎖された街のイメージが強いですね。
大阪北部地震でブロック塀が倒れ悲しい事故があって以来、6段を超えるのブロック塀はその高さを下げるような指導があります。もう少し時が経てば塀や門扉・垣根といったものは古い団地の象徴となっていくのではないでしょうか。ところでなぜ門扉なんて作ったのでしょうね?荷物持っていれば開け閉めが面倒なだけなのですが。
 ある漁業の町に行くと1件も鍵をかけている家はありません。インターホンなんてものもありません。「私を見たら皆さんよそ者とわかりますか?」と尋ねると「そりゃすぐわかる」と返ってきました。その家が留守でもみんなが見ているので、窃盗事件なんてないらしいです。確かに道路が碁盤の目になっているので、どこを曲がっても誰かに見られます。よそ者と見極められているからには、「不審者じゃありませんよ」との気持ちを込めてたとえ離れていても会釈するしかないです。なにか考えさせられますね。
防犯とプライバシーとコミュニケーションのバランスが大切なのでしょうね。